女将の書 今月の歌(2017年3月)

今月の女将の歌をお詠み下さいませ。

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春の野にすみれ摘みにと来し我も野を懐かしみ一夜寝にけり
山部赤人(やまべのあかひと)―古今集より―

【大意】春の野原にすみれの花を摘みに来た私は、野があまりに離れがたくて、
思わず一夜泊まってしまった。

女将の書 今月の歌(2017年2月)

今月の女将の歌をお詠み下さいませ。
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冬ながら春の隣の近ければ中垣よりぞ花は散りける
清原深養父(きよはらのふかやぶ)―古今集―

【大意】冬でありながら春がもう隣にまで来て近いので、中空(なかぞら)で季節を隔てる垣の春の側から、こちらに花(雪)が吹き越して散りかかるのだった。

女将の書 今月の歌(2016年12月)

今月の女将の歌をお詠みくださいませ。

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やまとの国にまかりける時、ゆきのふりけるをみて
朝ぼらけ有明の月と見るまでに吉野の里に降れる白雪 坂上是則(さかのうえのこれのり)―古今集―

【大意】夜の白むころ、ほのかな光の中、明け方の月の光かと見まがう明るさで、吉野の里に降り積もっている白雪の明かり。

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冬ごもり思ひかけぬを木の間より花と見るまで雪ぞ降りける    紀貫之(きのつらゆき) ―古今集―

【大意】ものみな冬ごもりの今、花のことなどは思いもかけなかったのに、木の間から花かと見まがうばかりに雪は降るのだった。

女将の書 今月の歌(2016年11月)

今月の女将の歌をお詠みくださいませ。
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散らねどもかねてぞ惜しきもみぢ葉は今は限りの色と見つれば   詠み人知らず

【大意】散ってはいないけれども、散る前からもう惜しまれることです。このもみぢ葉の深い紅は、散り落ちる前の最後の色と思うものだから。