女将の書 今月の歌(2013年5月)

今月の女将の歌をお詠み下さいませ。

女将の歌5月①0002※1 女将の歌5月②0001※2

※1
【君が宿我が宿分ける杜若うつろはぬ時見む人もがな】
紀貫之(きのつらゆき)
(大意)隣のあなたとの家と私の家とを区切っているかきつばたの花を、
色の褪せないうちに見てくれる人があればいいのに。

※2
【時鳥(ほととぎす)鳴くや五月のあやめぐさあやめも知らぬ恋もするかな】
詠み人知らず-古今集より-
(大意)時鳥(ほととぎす)が鳴く五月に咲きほこるあやめ草、そのあやめではないが、
道理(あやめ)もわからなくなるような恋もするんだなぁ。

女将の書 今月の歌(2013年4月)

今月の女将の歌をお詠み下さいませ。
女将の歌4月①0001
※1 女将の歌4月②0001※2

※1
【山桜飽くまで色を見つるかな花散るべくも風吹かぬよに】
平兼盛(たいらのかねもり)-古今集より-
(大意)山桜の美しい花を充分満足するまで見たことです。
花が散るほどの微かな風さえ吹かない穏やかなこの夜に。

※2
【久方の光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ】
紀友則(きのとものり)-古今集より-
(大意)日の光ののどかな春の日に、どうして心あわただしく桜の花は散っていくのだろう。

女将の書 今月の歌(2013年3月)

今月の女将の歌をお詠み下さいませ。

※1 ※2

※1
【青柳の 繭にこもれる糸なれば
春のくるにぞ色まさりける】
藤原兼輔(ふじわらのかねすけ)
〈大意〉青柳は蚕の繭の中にこもっている糸のようなもの。ですから春が来て、
春が手繰る手に従って、蚕が糸を繰り出すように次々芽吹いて緑を濃くするのです。

※2
【いまは昔、竹取の翁といふもの有けり。
野山にまじりて竹を取りつつ、よろづの事に使ひけり。】
『竹取物語』より

女将の書 今月の歌(2013年2月)

今月の女将の歌をお詠み下さいませ。

※1 ※2

※1
【梅の香の 降り置ける雪にうつりせば
誰かことごと分きて折らまし】
紀貫之
〈大意〉梅の香りが、降り積んだ雪に移ってしまったら、
誰が雪と梅とを区別して折ることができるだろう。

※2
【鶯の 谷より出づる声なくは
春来ることを誰か知らまし】
大江千里(おおえのちさと)
〈大意〉鶯が谷から出て来て鳴く声が、もしも聞こえなかったとしたら、
春が来ることを誰が知ることができよう。
(鶯が告げてくれなければ、誰も春の到来を知ることはできない。)

女将の書 今月の歌(2013年1月)

今月の女将の歌をお詠み下さいませ。
※1 ※2

※1
【亀のをの山のいはねをとめておつる
滝の白玉千代のかずかも】
紀惟岳(きのこれおか)
〈大意〉亀山の岩を伝って落ちる滝の、あの限りない水の白珠は、
黄身の千年の御年の数なのか。

※2
【春日野に若菜つみつつ万代を
祝う心は神ぞしるらむ】
素性
〈大意〉春日野にめでたい若菜を摘みながら、限りない命を願う心は、
神のみ心のままに叶えていただけることだろう。