女将の書 今月の歌(2016年12月)

今月の女将の歌をお詠みくださいませ。

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やまとの国にまかりける時、ゆきのふりけるをみて
朝ぼらけ有明の月と見るまでに吉野の里に降れる白雪 坂上是則(さかのうえのこれのり)―古今集―

【大意】夜の白むころ、ほのかな光の中、明け方の月の光かと見まがう明るさで、吉野の里に降り積もっている白雪の明かり。

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冬ごもり思ひかけぬを木の間より花と見るまで雪ぞ降りける    紀貫之(きのつらゆき) ―古今集―

【大意】ものみな冬ごもりの今、花のことなどは思いもかけなかったのに、木の間から花かと見まがうばかりに雪は降るのだった。

女将の書 今月の歌(2016年11月)

今月の女将の歌をお詠みくださいませ。
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散らねどもかねてぞ惜しきもみぢ葉は今は限りの色と見つれば   詠み人知らず

【大意】散ってはいないけれども、散る前からもう惜しまれることです。このもみぢ葉の深い紅は、散り落ちる前の最後の色と思うものだから。

女将の書 今月の歌(2016年9月)

今月の女将の歌をお詠みくださいませ。
源氏

のゝ宮にて、よるのきむまつ かぜにかよふといふだいを
琴の音に峰の松風通ふなりいづれのをより調べ初めけむ
斎宮女御 ―朗詠集より―

【大意】琴の音の響きに、峰を吹く松風の音が通いあって聞こえます。琴の絃(お)と、山の峰(お)と、どちらの「お」から奏でかけたのでしょう。